2013年5月25日土曜日

いいにおいのするホームレス

この日はセルフ祭。
私は一体、何をするのか、悩みに悩んだ結果、夢を実現することにした。
それは、ホームレスになること。
数多くの人が行き交う都会で全く違うルールで動いている
あの人たちに物心ついたときから興味があったのである。
ホームレスにいつかなってみたい、ぼんやりと思っていたことをやってみることにした。

とはいえ、暑かったり、寒かったり、臭ったり、というのは苦手でやり切る根性がない。
そこで、束の間の「いいにおいのするホームレス」をすることにした。
妻のシャネルの香水をふりかけ、本当のホームレスもたまに見かける
新世界市場でホームレス(のふり)をすることにする。





家をつくり、愛娘セーラとの親子水入らずの暮らし。
ニトリ西成店より段ボールを仕入れ、段ボールの産地にもリアリティを追求した。





今までみたホームレスの方々のよいところを少しずつ取り入れてこういう形になった。
こうみえてとてもいいにおいがする。顔も次第に現実離れしてきた。

この姿で新世界を歩き回る。
中には本当に信じてくれる人もいた。
こつこつやってたらええことある。
 あんたもまだまだ若いんやから、ちゃんと働きや。」と諭される。
悪い気はしなかった。



初日のセルフ祭のクライマックス。
ゴウくんのダンスを気持ち悪い輩が囲む。
右奥でお面を被って太鼓を叩いているのがぼくである。






段ボールの家に泊まろうかと思ったが、
祭りのどさくさで破壊されたので家に帰る事にする。
帰り際に本当の方がいた。服装はぼくの方が勝っていたが、携行品がやはり違う。
どうしてぬいぐるみをこのようにビニールに包むのか、発想の根本がやはり違う。

本物との差はまだまだ大きい。