2014年10月31日金曜日

ハロウィンの夜とポスター展前夜

昨夜はポスター設営の作業が深夜に及び、家に帰ることができなかった。
宿は高いところしかなく、結局ラブホテルにひとり泊まった。
疲れ果てた体に大きなダブルベッドはとても心地よかったが、
朝起きて冷静になるととても寂しかった。

夜が明けて窓を開けると伊丹空港と猪名川が見える。
ホテルはリバーサイド、川の側リバーサイドである。



日中はひたすら作業、ポスターはまだ少し残っていたが、
設営班に託してこの場を去る。




なんとか終電に間に合う。電車にはハロウィンで浮かれたサラリーマンがいる。
自身、仕事で疲れてたのと、仮装が中途半端なのとで いらいらするが、
手にカボチャを持っていたのでなんだか許せた。 (阪急伊丹駅)




電車を乗り換えると、
オールナイトのハロウィンパーティに向かう女たち。
左の2人と右の2人はまったく別のグループである。

ちなみにセルフ祭などでよく仮装するものだから、
ハロウィンで仮装もしないのと?よく尋ねられるのだが、仮装はしない。
ハロウィンはそもそも欧米のカルチャーだし、
なされる仮装も 欧米風なのに抵抗があるのである。

日本人ならば節分の時に仮装すべきである。
そう、日本には昔から節分の時に仮装する風習があるのであーる。(塚口)



そして、駅から家までの帰り道、
ハロウィンの夜にもかかわらず 独りハーモニカを吹くおっさん (六万体町)

2014年10月30日木曜日

早く片付けたい男

設営作業をする横では力つきた酔っ払い。 
後輩が「住所はどこですか?住所教えてください」と
先輩のiPhoneを必死にまさぐっている。
早くタクシーで送って片を付けたいのであろう。(阪急伊丹駅)

頭を抱える男

新世界、文の里に続く、商店街ポスター展
『伊丹西台ポスター展』があと2日後にスタート。
ということで設営作業を夜な夜なしている。

ポスターを阪急伊丹駅に掲出した。
とてもいい感じである。

ただし、ひとり頭を抱えている。
文字通り「頭を抱えている」。
では頭を抱えているポスターを以下に披露しよう。




これが自分のお店の前で、
しかも、人通りの多い駅ビルの中で飾られるとなると確かに頭を抱えちゃうか。

伊丹西台ポスター展まであと2日。





2014年10月28日火曜日

覗き読む男

男が週刊誌の表紙をじっとみつめている。


意を決したように袋とじの中をのぞき見はじめた。 (阪急伊丹駅)

意外な利き腕

先輩の川上さんがうどんを食っていた。
川上さんが左利きなのをはじめて知った。 (堂島)

2014年10月26日日曜日

ヴィトンと漢字

ルイ・ヴィトンのカバンを持ったさえない外国人が地べたで本を読んでいる。


読んでいるのは漢字の学習帳だった。



どうやら漢字検定の予習をしていたようだ。(上本町)





2014年10月22日水曜日

地べたに座る紳士

おっさんが ティッシュを広げ


丁寧に折り畳み


涙を拭いていた。 (西梅田)


2014年10月19日日曜日

待つ女

美女が精米を待っている、もえ〜  (鷲神浜 女川町)


2014年10月18日土曜日

教壇からの寝てる人

この日は高校で講演があった。



一生懸命、ぼくが話しているというのに寝てるじゃないか。
まあ学校のない土曜日の午前中にわざわざきてくれたのだからよしとしよう。

それにしても、教壇からだと生徒が何してるか丸見え。
寝てたり、弁当食ったり、他の科目の宿題してた自分は、
先生からまるわかりだったんだろうなあ。

2014年10月17日金曜日

外国人と路線バス

バスにインド人らしき男が乗車してきた。
彼は乗るとすぐに金を払おうとした。
運転手に後で払うのだとジェスチャーで教えられて
しばらくその場に立っていた。
目的地に着いたのでインド人は
ポケットにあったありったけの硬貨を手に広げて
隣の乗客に値段を教えてもらっている。
ああ、おれに訊いてくれたらよかったのに。

日本でも海外でも外国人が路線バスに乗るのは難易度が非常に高い。
支払い方がわからない。下りようにも英語の表記もアナウンスもない。
運転手か乗客に訊くより他なく、
すべては人頼みのバスの移動なのである。(上本町)

2014年10月16日木曜日

ハーモニカ吹きのおっさん

肌寒くなってきたが、まだ吹いている。
出張続きで疲れた体に風景が浸みた。
大阪はどんな町より哀愁が似合う。(上汐)

2014年10月12日日曜日

疲れ果てた孫と祖父

おじいちゃんと孫が 寝ていた。百貨店の一角で。(阿倍野)



2014年10月11日土曜日

紀北町 2日目

みかん売りのおばちゃんが寝ている。朝市にやってきた。 (東長島)

バケツ一杯のにぼしが1000円!
とりあえずバケツ半分のにぼしを500円で購入した。(東長島)


休日ながら紀北町役場の久保さんと宮本さんがアテンドしてくれた。
「紀伊長島のディープなところに案内してください」とお願いする。
まずは長島造船所というところに連れてきてもらった。

久保さんも40年近く住んでいるが来たことがないと。



おっさんが漁船をつくっている。ボンドの臭いがぷんぷんする。
きっと長島の悪ガキたちはここにボンドを盗みにきていたに違いない。



町営住宅の方に行く。
おっさんがいきなり「お前ら役場のもんか!」と
今にも殴りかかってきそうな勢いでどなってきた。


「おまえらこの溝見てみい!
 おまえらがほったらかしやからこの前の台風のとき
 水があふれてえらいことになったんや」



「どないしてくれるんや!おまえら!」


「まあおまえらに言うてもしゃあないか」と
どなり散らすとスッキリしたのか穏やかになった。
隣が思わぬとばっちりを食った久保さんである。











おっさんが住んでいるのはこの町営住宅。家賃はなんと月1万円。
一定期間住めばここを出る決まりになっているが
もう何十年も居座り続けている。
さらに、写真をよく見てもらえばわかるが勝手に建て増しをしている。
その上、排水溝を掃除しろと食ってかかってくる。
パンチあるおっさんである。








まさかこれも家かと思ったが、そうではなかった。
漁の道具を入れる倉庫である。


色塗られ、錆びついたトタンはやはりカッコいい。



近くにはカツオ漁船 に乗るインドネシア人の寮があった。
さらには、50ぐらいのおっさんと20代のフィリピーナの住む一軒家があり、
そこに色の年頃の肌の浅黒い2人の娘が自転車に乗っていたりと
地方は地方なりの国際化が進んでいる。




神社にいくと、お祭りの準備をしているおじいさんがいる。  


特別に中にあげてもらった。


「神様のご飯つくらなあかんねや。
   今日は宵宮やから今日も明日もつくらなあかん
 神様は12人もおるから大変や」

ここの名物「カマス寿し」がとてもうまそうである。
12人×2食の24人分、なかなか大変な量である。
村の女が総出で作っている。


神様がいる奥の社まで案内してもらった。
1人だと中まで辿り着けなかったに違いない。  (島勝浦)


廃校になった小学校を宿泊施設にした場所へと連れて行ってもらう。 

校長室が男湯になっている。



風呂に入っている校長の絵が浮かんできた。




保健室は女湯になっている。
校長室が女湯で、保健室が男湯よりも確かにいい。



調理室は調理室のままである。
ここは宿泊者が自分で調理することもできる。
釣った魚とか調理したい。  (島勝浦)



水中の石にある緑色の小さな虫のようなもの見えるだろうか。
これは、海藻の苗。 
温暖化で水温が上がっているからか、何か他の理由から、
近年海藻が減っているため、海藻を増やそうと町ぐるみで取り組んでいる。
植林ならぬ、植藻。全国初の試みだとか。  (島勝浦)



漁港では釣り人が寝ている。
早起きして来て眠いのか、釣れずに退屈なのか。
みんなアオリイカ狙いだ。  (島勝浦)



ぼくも少し釣りをした。小さなガシラが2匹ほど。

釣りをしていると目の前を漁船に乗った久保さんの友人が通り過ぎて
久保さんに声をかけてきた。

「おー、おまえ、なにしとんのや?」
「見たらわかるやろ、釣りや 」
「釣りっちゅうのは釣れてこそ、釣りや。釣れんかったらただ立っとるだけや」

といいながら立ち去っていった。船はだいたい一家に一台あるのだとか。
漁村らしいとてもいい光景である。  (東長島)




帰りは久保さん一家と宮本さんが送ってくれた。
朝買った煮干しを久保さんの娘にあげたが見事に返却された。

変なところばかりで、いちばんの有名スポット熊野古道に行ってないが
充実したトリップだった。
「ぼくたちもなかなか行かないところだったので楽しかったです」
久保さんも喜んでくれた。



やさぐれつつも、海はきれいで、すぐ山に入ると世界遺産。
その割に観光客が少ない。
東京からとかなかなか来ないだろうなあ。
というわけで、なかなか穴場の紀北町。
だからこそぜひ一度行ってみてください。

今回お会いすることができなかったが
震災後に東京から紀北町に移住した漫画家夫婦もいる。
『南紀の台所』という作品でジャンプ改に連載中である。


ぼくもまたきっと行くだろうなあ。
紀北町の魚と変人を釣りに。