ギブス
髪の毛と
ギブス。
「解剖台の上のミシンとこうもり傘の偶然の出会いのように美しい」とは
シュルレアリスムの原則を表していると称されるロートレアモンの一文だが
「寺の軒下の髪の毛とギブスの偶然の出会い」も非常に美しい。
この髪の毛とギブスは亡くなった人の・・・・と思ったかもしれない。
違うのである、このギブスの文字を見てほしい。
「昭和5年11月18日 御願成就」と書いてある。
願いが成就すれば、その髪の毛とギブスを奉納するのだ。
そこには飾りきれなかったギブスが山積みされていた。
奥には水が湧き出ていた。
空海が椿の錫杖で水をわき出させた。
この水が病気を治癒する霊水である。
ぼくも飲んでみた。少し塩辛い。何か成分が溶け込んでいるのであろうか。
ハワイアンなよだれかけがかけられてある。
本堂には参拝客が何人かおり、今でも椿堂への信仰が厚いことが理解できた。
椿堂、写真で見ると気持ち悪いかもしれないが、
祈願が成就した御礼の品々だからだろうか、
現地では思った以上にイヤな感覚はなかった。 (黒土 豊後高田)
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